グッズに頼らず、ズボン自体の生地を物理的に広げるアプローチも効果的です。素材によって性質が大きく異なるため、適切なアプローチを見極める必要があります。
■ デニム(ジーンズ)の場合
コットン100%やストレッチ混のデニム生地は、水分を含むと繊維が緩み、引っ張る力に対して伸びやすくなる性質を持っています。ウエスト部分に霧吹きでぬるま湯をたっぷり吹きかけて湿らせた後、両手でウエストバンドをグッと横方向に引っ張る、あるいは適度な太さの木製ハンガーやクッションをウエスト部分に突っ張らせた状態で自然乾燥させます。これだけで1〜2cm程度のサイズアップが期待できます。履きながらスクワットをして身体のラインに馴染ませるのも有効です。
■ スーツのスラックスやチノパンの場合
ウールやポリエステル主体のスラックスは、デニムのように無理に引っ張ると型崩れや縫製の破損に繋がります。スーツのズボンのウエストがきついときは、裏地側の構造を確認してください。一般的なスーツのスラックスは後ろ中心の縫い代に「縫い代の余り(出し代)」が4〜6cmほど残されており、専門店でお直しをすることを前提に作られています。無理に自力で引っ張らず、次項で解説するお直しに出すのが最も美しいシルエットを保つ近道です。
■ イージーパンツ・部屋着の場合
ウエストゴム仕様のズボンがきつい場合は、ゴム通し口から中のゴムを引き出して新しい長めの平ゴムに入れ替えるか、既存のゴムに数センチの別ゴムを継ぎ足すだけで簡単にゆったりとした履き心地へ再生できます。