二人の出会いは、奇跡的かつ必然だった。長野県伊那市という同郷の出身でありながら、当時はほとんど交流がなかった二人。再会を果たしたのは東京藝術大学のキャンパスだった。常田がチェコ語で「勝利」を意味する前身バンド「Srv.Vinci(サーヴァ・ヴィンチ)」を立ち上げ、新たなボーカルを探していた際、クラシックを学びながらも自らの表現方法を模索していた井口に声をかけたことがすべての始まりだった。
「常田の作る曲には、自分の声をすべて預けられる圧倒的な強度があった」と井口は述懐する。常田のずば抜けたプロデュースワークと、井口の自由自在な歌唱表現。二人の合流によってSrv.Vinciは変貌を遂げ、群れを率いる「King Gnu」へと改名。ストリートとアカデミズムを横断する唯一無二のプレイスタイルがここに完成したのだ。