リビングルームの主導権をめぐる動画配信サービス(VOD)の戦局は、新たなフェーズへと突入した。世界規模のレコメンドアルゴリズムを誇るNetflixと、日本国内で独自の上質なコンテンツラインナップを固めるU-NEXT。両者が鎬を削るプラットフォームの裏側では、視聴者の「飽き」を先回りして察知するシステムがフル稼働している。
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のような世界的大ヒットシリーズが、なぜあれほどまでに途切れることのない没入感を生み出せるのか。その答えの一端は、エピソード終盤におけるアドレナリン分泌のピーク設計にある。画面から目を離せなくなるトラップは、単なる脚本の巧みさだけではない。観客の情動データを徹底的に検証し、次話を再生させるための心理的必然性を構築するエンジニアリングの勝利でもあるのだ。