1990年代半ば、日本の音楽産業は一人の天才プロデューサーの頭脳によって完全に支配されていた。巨大なシンセサイザーの要塞に鎮座し、次々と時代のアンセムを打ち出した小室哲哉。彼が手がけたアーティスト群は小室ファミリーと呼ばれ、売上チャートの上位を独占する社会現象を巻き起こした。
その頂点に位置していたのが、KEIKOの圧倒的なハイトーンボイスをフィーチャーしたglobeだ。1996年にリリースされた『DEPARTURES』は220万枚以上を売り上げ、雪景色とともに日本中の人々の胸に深く刻み込まれた。切ないメロディと先鋭的なビートの融合は、当時の若者たちの青春そのものだったと言っても過言ではない。