地方都市の一角にありながら、首都圏や関西圏はもちろん、海外からもフーディが訪れるトラン・ブルー。その中心に立つのが、日本を代表するブーランジェである成瀬正(なるせ・ただし)シェフです。
実家のベーカリーでの修業を経て渡仏し、本場のパンづくりを体得した成瀬シェフは、2005年に開催された世界最高峰のベーカリー大会「クープ・デュ・モンド・ド・ラ・ブーランジュリー」に日本代表チームのキャプテンとして出場。ヴィエノワズリー部門などで卓越した技術を発揮し、見事世界第3位(銅メダル)の栄冠を日本にもたらしました。その後も日本代表チームの監督を務めるなど、日本のパン業界を牽引し続けています。
メディアの密着取材や自著において、シェフは「パンづくりは科学であり、日々の気候や素材との対話である」と語っています。飛騨高山という四季の寒暖差が激しい環境を逆手に取り、小麦粉の温度、仕込み水の温度、発酵室の湿度を1度・1%単位で厳格にコントロール。機械的な大量生産では決して到達できない、極限のクオリティを維持し続けている点こそが、全国のファンを惹きつけてやまない根本的な理由です。