彼がここまで過剰とも言える集中力を見せる背景には、積み重ねてきたキャリアの自負がある。主演を務めた話題のホラー映画『忌怪島/きかいじま』で見せた冷徹かつ繊細な表現力は、観客だけでなく業界関係者からも絶賛を浴びた。恐ろしい世界観の中に身を置き、役に精神を浸食されるような限界の演技を経験したことが、彼の役者魂をさらに研ぎ澄ませたと言える。
ホラーやミステリーといった過酷なジャンルにおいて、演者が追うメンタルの負荷は図り知れない。しかし彼は一切の手抜きを拒み、カメラの前で自らを限界まで追い込む。今回のハプニングも、そうした鬼気迫る役作りが招いた過度の疲弊と緊張の露出であった。