彼らのキャリアにおいて今なお語り継がれる伝説のライブといえば、1993年に収録された『MTVアンプラグド・イン・ニューヨーク』だ。ステージを白いリリィと黒いローソクで飾り立てるよう指示したエピソードは有名である。それはまるで自らの葬列を演出するかのような重々しい空気に包まれていた。
ドラマーのデイヴ・グロールは、普段の爆発的なプレイスタイルを封印し、繊細なワイヤーブラシで静寂を支えた。バンド全体の張り詰めた緊張感が、極限の集中力を生み出していく。ロックの持つ激しさと静寂のコントラストが、アコースティックという削ぎ落とされた空間で見事な芸術へと昇華した瞬間だった。