千切りにした芋をボウルに入れ、ついいつもの癖で水にさらしてはいないだろうか。もしそうなら、今すぐその習慣を手放すべきだ。ガレットを崩さず一体化させ、外はカリッ中はとろ〜りとした極上食感に導く最大の接着剤は、芋自身が持つ「表面のデンプン」にほかならない。
水洗いをするとこの天然のバインダーがすべて流れ落ち、フライパンの中でバラバラの炒め物へと成り果ててしまう。スライサーで均一な細切りに仕立てたら、ボウルに移して塩をひとつまみ。ここで水分を絞りすぎず、チーズと直に和えるのがプロの最新アプローチだ。じゃがいも300gに対してチーズ60g、オリーブオイル大さじ2。この比率さえ守れば、粉類を一切足さずとも、誰でも失敗なく端正な円盤形を焼き上げることができる。
火入れの序盤は中弱火でじっくりと蒸し焼きにし、内部の熱対流で芋に火を通す。仕上げにフタを外し、鍋肌からオイルをひとたらしして強火で煽れば、余分な湿気が抜け、理想的なクラストが完成する。