1970年代初頭、神戸の地で井上大佑氏によって生み出された「伴奏に合わせて歌う機械」は、半世紀を経て世界共通の文化記号となった。ソフィア・コッポラ監督の映画『ロスト・イン・トランスレーション』で描かれた、東京の夜景を背に異邦人たちがマイクを交わすあの刹那的な美しさは、いまや訪日外国人観光客が日本で最も体験したい「リアルな文化体験」の一つとして定着している。
密閉された小部屋で互いの選曲に耳を傾け、時には拙い歌声に拍手を送る。この独特の距離感とコミュニケーションの形態は、日本発のソーシャルメディアと言っても過言ではない。