楽譜通りに音が並べられるようになったら、曲全体に「沖縄らしい味わい」を吹き込むステップへ進みましょう。『かなさんどー』の持ち味である軽快で心踊るノリを生み出すには、バチさばきと装飾音の使い方が決定的な役割を果たします。
代表的な技法が「打ち音(うちうとぅ)」です。バチで弦を弾いた直後に、左手の指で勘所を素早く叩くように押さえて余韻に音を加える技法で、これにより沖縄民謡特有の跳ねるようなグルーヴ感が生まれます。また、音を伸ばす箇所でバチを柔らかく返す「掛け音」を適切に織り交ぜることで、平坦になりがちな演奏に豊かな抑揚が加わります。
何より大切なのは、演奏者自身が曲の持つ陽気さと愛の温もりを楽しむことです。表情を柔らかく保ち、歌詞の「かなさんどー」のフレーズに笑顔を乗せる意識を持つだけで、バチのタッチが自然と軽やかになり、聴き手を引き込む生きた演奏へと変化していきます。