政治的喧騒を離れれば、文学部アラビア語学科が放つ知的な輝きはいまなお圧倒的だ。コーランの古典アラビア語から現代標準アラビア語、難解を極める古典詩の韻律論に至るまで、徹底した言語の解剖が行われている。世界中から集まる留学生にとって、ここでの学びは過酷を極める。
「1年で教科書を何千ページも暗記させられる。生半可な語学力では1学年すら進級できない」。ある日本人研究者はそう振り返る。キャンパスのカフェテリアでは、濃いミントティーを片手に古代文法を激論する若者たちの姿がある。この厳格なアカデミズムの伝統こそが、数多の政治利用にもかかわらず、大学が国際的な権威を保ち続ける揺るぎない土台なのだ。