時代劇から実録路線、そして映画『修羅の群れ』に代表される大作映画まで、松方弘樹は常に東映の絶対的な看板であり続けた。夜の街で見せた桁外れの豪快なお金の使い道や、後輩役者・スタッフへの気配りは、昭和の銀幕スターならではの伝説的エピソードとして語り継がれている。
撮影が終われば一転、連日連夜の大宴会。しかし、翌朝の現場には誰よりも早く入り、セリフは完璧に頭に叩き込んでいたという。関係者が口を揃えるのは、彼の「気配りの細やかさ」と「圧倒的な人間力」だ。豪快でありながら繊細。この二面性こそが、スクリーンで放たれた深い人間味の源泉だった。