大量生産・大量消費の時代を経て、現代において軍足人形は再び脚光を浴びている。その背景には、サステナビリティ(持続可能性)への関心の高まりと、ハンドメイド作品特有の「癒やし」を求める現代人の心理がある。
現在のクラフト界では、「ソックスドール」や「靴下リメイク」といった名称で若い世代にも浸透しているが、あえて伝統的な「軍足」にこだわる作家も多い。
現代の作家たちが生み出す軍足人形は、昭和の素朴さを残しつつも、洗練されたデザインやアート性の高い造形が加えられている。ホームセンターで手に入る無染色綿の軍足や、ワークウェアショップの頑丈な靴下を使い、1点ものの作品としてギャラリーやクラフトマーケットで販売されるケースも増えた。
同じ型紙で作っても、縫い目ひとつ、目ボタンの位置ひとつで表情がガラリと変わる。世界に二つとして同じものが存在しない唯一無二の存在感が、デジタル時代を生きる人々の心を強く捉えている。