主人公エレン・イェーガーの激情もまた、イラストレーターたちの手にかかれば極上のコメディへと生まれ変わる。世界への怒りを剥き出しにした「駆逐してやる」という悲壮な叫びが、朝の目覚まし時計や抜け落ちた前髪、あるいは部屋に侵入した一匹の蚊に向けられるシュールさは圧巻だ。
緊迫した法廷シーンでアルミンの屁理屈に論破されたり、ミカサの過保護すぎる愛情に白目を剥いて引きずられたりするエレンの姿は、過酷な本編を観終えたファンの心を優しく解きほぐす。どれほど運命に翻弄されようとも、一枚のイラストの中では等身大の不憫な少年として笑いを提供してくれる。この救いのようなユーモアにこそ、コミュニティの温かい眼差しが宿っている。