ホテル全体の佇まいに深みを与えているのは、昭和を代表する建築界の巨匠・村野藤吾の手による優美な建築美学である。柔らかで伸びやかな曲線美、空間に漂う独特の温かみと重厚感。今回の改装では、村野藤吾が遺した歴史的デザインのDNAを尊重しながら、現代的な機能性とモダニズムが見事に融合された。
エレベーターホールから客室に至る廊下の照明、家具の質感に至るまで細部へ徹底的にこだわり抜かれている。クラシカルでありながら決して古びない。時代を超越した美意識が散りばめられた館内を歩くだけで、上質なアートギャラリーを訪れているかのような感覚に包まれる。