過酷な勝負の世界を駆け抜けた花形満の物語において、優しく温かな光となったのが、飛雄馬の実姉である星明子との結婚です。
二人の出会いは、飛雄馬の少年時代にまで遡ります。貧しい長屋で育ち、弟のために身を粉にして尽くす明子の控えめで凛とした姿に、花形はいつしか深い敬意と憧れを抱くようになっていきました。育った環境は天と地ほど違えど、互いに孤独を知る二人は、言葉少なに心を通わせていきます。
飛雄馬が大リーグボールの重圧に苦しみ、家庭が引き裂かれそうになる中でも、花形は陰ながら明子を支え続けました。そして現役引退後、花形は正式に明子へプロポーズを果たします。
宿敵の姉を妻に迎えるというドラマチックな結末は、星家と花形家の長きにわたる因縁を「家族」という最高の形で昇華させました。花形モーターズの専務取締役に就任した花形は、明子を心から慈しみ、公私ともに成熟した大人の男としての道を歩み始めたのです。