一徹とともに中日ドラゴンズのユニフォームに身を包んだオズマは、伝統の一戦にこれまでにない殺伐とした緊張感をもたらした。読売ジャイアンツの伝統と誇りを粉砕すべく送り込まれた異国の刺客。それはプロ野球というエンターテインメントの裏に潜む、剥き出しの生存競争の象徴だった。
中日のベンチで腕を組み、冷徹な視線をマウンドへ送る一徹と、沈黙を守るオズマ。二人の間に通底していたのは、温かい信頼関係などではない。互いの目的のために利用し合う共犯関係でありながら、どこかで互いの深い孤独を理解し合っていた奇妙な絆だった。
破滅へと向かうような狂気の果てに、オズマがグラウンドで見出したものは何だったのか。それは単なる勝利の美酒ではなく、野球という過酷なリングの上でしか他者と繋がれなかった男の、あまりにも不器用な魂の救済だったのかもしれない。