深夜営業を行う居酒屋をめぐっては、会計時のトラブルやネット上の誤った言説も多発しています。特に「深夜料金の割増ルール」と「接客の境界線」については正確な理解が欠かせません。
深夜料金10%〜15%割増の法的ルールと明示義務
「深夜0時以降の会計に10%の深夜サービス料が加算されていたが違法ではないのか」という利用者の疑問がSNS等で頻繁に見られます。結論から言えば、店舗が独自に深夜料金を設定すること自体は自由価格の原則に基づき合法です。ただし、消費者契約法および景品表示法上の観点から、メニュー表の目立つ位置や店頭に「22時以降は深夜料金〇%を加算します」と明記しておく義務があります。
事前告知なしに入店させ、会計時に突如として深夜料金を請求した場合は不当な請求とみなされ、返金トラブルや消費者センターへの通報に発展するリスクを負うことになります。一方、店舗が従業員を23時や24時以降に働かせる際には、労働基準法第37条に基づき基礎賃金の25%以上の深夜割増手当を支給することが義務付けられています。
カウンター越しでも違法になる「接待」の境界線
居酒屋やバーの店主が最も陥りやすい落とし穴が、「接待」の定義です。「ボックス席に座っていなければ接待にならない」という誤った情報が一部で信じられていますが、警察庁の解釈基準では、カウンター越しであっても特定の客に対して継続して長時間の談笑相手を務めたり、酒を注ぎ合ったり、手拍子をとって歌を勧めたりする行為はすべて「接待」に該当します。接待を行うのであれば深夜0時までに閉店する風俗営業1号の許可が必要であり、深夜酒類届出の店舗で行えば違法営業となります。