映画界の視線が集中している最大の要因は、主演としてクレジットされた役所広司の存在だ。カンヌをはじめ国際的な評価を不動のものにしてきた彼が、崩壊後の荒野を彷徨う主人公の元軍事技術者・カゲヤマを演じる。スタジオ幹部が「彼以外のキャスティングは最初から存在しなかった」と断言するように、役所が纏う凄みと哀愁が物語の絶対的な推進力となる。
過酷なロケーション撮影において、役所が見せた鬼気迫るアプローチはすでに撮影クルーの間で伝説化している。CG全盛の時代にあって、本物の砂嵐と極限の環境に身を置きながら絞り出す台詞の重み。共演する若手国際派俳優陣とのスリリングな演技合戦は、単なるスペクタクルにとどまらない濃厚な人間ドラマを予感させる。