「若い頃のデートは、まずあの大きなピンの下で集合するのが決まりだった」
立川駅南口近くで長年飲食店を営む60代の男性は、そう言って目を細める。スマートフォンもSNSもなかった時代、遠くからでも一目でわかるあの看板は、約束の場所として機能していた。単にボールを転がしてピンを倒す場所ではなく、誰かと出会い、時間を共有するための「街の広場」だったのだ。
地元に住む人々にとって、そこは人生の節目節目に登場する背景でもあった。初めてのパーフェクトゲームに挑んだあの日、会社の親睦会で優勝して喜んだ夜。個々のプライベートな思い出が積み重なり、街全体の記憶へと昇華していった。