昼前になると、惣菜コーナーはちょっとした戦場と化す。湯気を立てる巨大な鍋から次々と揚げられる唐揚げ、昔ながらの甘辛いタレが染みた煮魚、そしてズシリと重い手作り弁当。どれも工場で作られた均一な冷凍惣菜の味とはまるで違う。
実家の台所で祖母が作ってくれたような、どこか懐かしく骨太な味付け。それでいて価格設定は異常なほど良心的だ。「利益が出ているのか」とこちらが心配になるほどのボリューム感で、一人暮らしの高齢者から育ち盛りの子どもを抱える世帯までをがっちり掴んで離さない。添加物を最小限に抑え、当日仕入れた食材の端材も巧みに使い切る厨房の知恵が、この低価格と美味を支えている。