メインテーマ『Summer』の旋律を聞いただけで、青空とひまわり畑、そしてどこまでも続く一本道を思い起こす人は少なくないだろう。音楽を手掛けた久石譲による軽快で少し切ないピアノのフレーズは、映画の情景と完全に融合している。
北野映画における久石譲のスコアは、時にセリフ以上に登場人物の心情を雄弁に語る。道中で出会う変な大人たちとのバカバカしい戯れの裏側に潜む、少年の寂しさや男の過去。それらをそっと包み込むような音楽の存在があったからこそ、この物語は世界中の人々のノスタルジーを刺激する普遍的な名作となり得たのだ。