物語初期の月島がなぜバレーボールに対して冷淡だったのか、その根底には実兄である月島明光(つきしま あきてる)との苦い過去が存在します。
小学生の頃、烏野高校のエーススパイカーを目指して懸命に練習していた兄の姿は、蛍にとって絶対的なヒーローでした。しかし、強豪へと駆け上がっていた当時の烏野において、明光はベンチ入りすら果たせていませんでした。弟に失望されたくない一心で「エースとして活躍している」と嘘をつき続けていた兄の真実を、蛍は試合会場の応援席で偶然目撃してしまいます。
「どれだけ必死に努力しても、報われない現実がある」「本気になればなるほど、打ち砕かれた時の傷は深くなる」。この強烈な原体験が、月島に「たかが部活」という防衛線を張らせ、無意識に全力を出すことを恐れる冷めたスタンスを形成させていました。