感覚を言葉にする。言うのは簡単だが、これほど難解な作業もない。特にトッププロの世界では、「もっとシャローに」「ヘッドを走らせて」といった曖昧な擬音や抽象表現が、かえってプレイヤーの身体感覚を狂わせるケースが散見される。
彼の真骨頂は、プロが脳内で抱く漠然とした違和感を、物理的な関節の動きとクラブ軌道の因果関係へと正確に翻訳する「言語化の精度」にある。ツアー屈指の実力者たちが、予選落ちの続いたどん底から息を吹き返す瞬間、その傍らには常に彼の冷静な視線があった。押し付ける指導ではなく、対話を通じてプレイヤー自身に正解を気づかせる。この引き出しの多さが、勝負の世界で生きる者たちの絶大な信頼を勝ち取っている。