調教師試験の合格者一覧を見ると、元騎手だけでなく、厩舎の屋台骨を支える調教助手や厩務員からの叩き上げ合格者が数多く含まれています。騎手のような実務免除特例が少ない助手組にとって、この試験を突破することは想像を絶する過酷な挑戦です。
調教助手の1日は、まだ深夜とも言える早朝3時前からの調教騎乗や馬房掃除で始まります。日中も馬の手入れや治療への立ち会い、週末の競馬場への遠征帯同など、拘束時間は長く肉体的な負荷も極めて重い仕事です。その激務の合間を縫い、仮眠時間を削って毎日3〜4時間の机上勉強を何年も継続しなければ合格ラインには届きません。
助手出身者が合格を掴み取る強みは、「現場でのリアルな馬づくりとトラブル処理の経験値」にあります。装蹄師や獣医師との連携、担当馬の体調変化を見逃さない観察眼、日々のカイバ(飼料)設計など、現場で培った生きた知見を論述や面接に落とし込むことで、元騎手たちと互角以上に渡り合っています。