「バイキン星からやってきた悪者」というシンプルな設定だけであれば、これほど長きにわたって視聴者に愛されることはなかったかもしれない。ばいきんまんは、アンパンマンを倒すために日夜奇妙なメカを作り出し、作戦を練るが、最後は必ず「バイバイキーン!」と吹っ飛ばされて退場する。
中尾隆聖がこのキャラクターに与えた最大の要素は、負けても決して折れない「タフな生命力」と「憎めない滑稽さ」だ。台本に書かれたセリフをそのままなぞるのではなく、語尾の跳ね方や息の抜き方にまで工夫を凝らすことで、悪役でありながらどこか応援したくなる魅力を生み出した。