大将優という複雑な立ち位置のキャラクターを演じるにあたり、声優・下野紘が見せたアプローチは圧巻だった。皮肉めいた台詞回しの中に、ふとした瞬間に滲み出る熱量や焦燥感。単に「感じの悪いキャラクター」にしてしまうと、視聴者の共感は得られない。下野は絶妙なトーンの強弱と声の伸びで、大将が背負うプライドと勝負への本気度を見事に表現してみせた。
特に印象的なのは、音駒高校との激闘における台詞の数々だ。粘り強い守備に苛立ちを募らせながらも、相手の実力を認めざるを得ない葛藤。下野の演技は、コート上の空気感そのものを歪ませるほどのリアリティを持っていた。