物語最大の核心であるパッショーネの統率者、ディアボロの正体は、ひとつの肉体に二つの人格が同居する特異な多重人格者でした。気弱で従順な少年「ヴィネガー・ドッピオ」を表層の防壁とし、本性である冷酷無比なディアボロは自らの素顔や過去の記録を一切消し去るパラノイア的な隠蔽工作を徹底していました。
彼のスタンドであるキング・クリムゾンの能力は、「この世の時間を数十秒間消し去り、その間自分だけが自由に行動できる」という無敵の時間超越能力です。さらに額の「エピタフ」によって十数秒先の未来を100%の的中率で予見し、確定した不都合な未来を「消去」して自分にとって有利な結果だけを享受する――これこそがボスの絶対的な優位性の源泉でした。
しかし、矢の力によって進化したジョルノ・ジョバァーナのゴールド・エクスペリエンス・レクイエム(GER)は、ディアボロの根幹を根本から無力化しました。GERの真の能力は「攻撃してきた相手の動作や意志の力を全て“ゼロ”に戻す」こと。時間を消し去ったという事実そのものをリセットし、ボスが求めた「結果」そのものを永遠に消失させます。その結果、ディアボロは「死んだという結果にさえ到達できず、無限に死のプロセスを繰り返す」という、作中最も過酷な因果律の牢獄へと堕ちていきました。