年を取るとおならがよく出るのはなぜ?加齢のサインと潜む病気の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。

「歳を取れば誰だっておならは増える」という思い込みには、重大な落とし穴が潜んでいます。排ガス回数の増加や悪臭の悪化が、実は重大な消化器系疾患の兆候であるケースは少なくありません。ネット上では単なる体質や加齢と片付けられがちですが、注意すべき病態の代表格が大腸がんの初期症状としてのおならの変化です。

大腸(特にS状結腸や直腸)に悪性腫瘍ができると、腸管の内腔が腫瘍によって狭窄します。便の通過が阻害されると腸内で異常発酵が加速し、ガスの通過頻度が増えることがあります。また、腫瘍組織そのものが壊死したり出血したりすることで分泌される腐敗成分が混ざり合い、これまでにない腐敗臭や玉ねぎが腐ったような特異な刺激臭を放つようになります。単におならが異常に臭い原因と隠れた病気を疑う際、便が細くなった、血便が混じる、体重減少が見られるといった随伴症状の有無は決定的な鑑別点です。

もうひとつの盲点が、ストレスや日常の無意識な癖に起因する呑気症(どんきしょう)の症状です。無意識に唾液と一緒に大量の空気を飲み込んでしまう疾患であり、義歯(入れ歯)の噛み合わせが合わなくなった高齢者にも多発します。呑気症によって胃に送り込まれた空気は、げっぷとして排出されない場合、すべて小腸から大腸へと流れ込んで膨大な量のガス溜まりを作り出します。単なる胃腸の老化と自己診断せず、器質的・機能的な疾患を視野に入れる姿勢が不可欠です。