スティーブ・ジョブズが遺した資産は、アップル株やディズニー株を中心に数百億ドル(数兆円規模)に達します。しかし、この莫大な遺産が子供たちへそのまま直接相続されることはありませんでした。この事実の背景には、資産を一手に引き継いだ妻ローレン・パウエル・ジョブズの揺るぎない人生哲学があります。
ローレンは生前のジョブズと同様に、「個人の富の極端な蓄積は社会的に不公正であり、子供たちに巨大な富を継承して王朝を作るべきではない」という確固たる信念を持っています。彼女は自らが率いる社会起業団体「エマーソン・コレクティブ(Emerson Collective)」を通じて、教育格差の是正、環境保護、気候変動対策、移民支援などの慈善事業に資産のほぼすべてを投じる方針を明言しています。
子供たちに与えられたのは「莫大な不労所得」ではなく、「最高水準の教育と自立する力」でした。末娘のイブが自らモデルとしての地位を勝ち取り、リサが自らの筆一本でキャリアを築いている姿は、親の財産に依存させないジョブズ家の厳格な教育方針が見事に実を結んだ結果と言えます。