マダニに刺された、あるいは刺された痕跡が疑われる場合、どの診療科を訪れるべきか。
虫体がまだ皮膚に残っている段階、または刺し口の局所的な炎症が強い場合は、迷わず皮膚科を受診する。皮膚科では専用のマダニ摘除器具を用いた安全な除去や、必要に応じた局所麻酔下での小さな皮膚切除(パンチバイオプシー等)を行い、口器を完全に摘出する処置が取られる。
一方で、刺されてから数日〜数週間後に発熱、悪寒、頭痛、消化器症状、全身の発疹などの全身症状が出現した場合は、直ちに感染症内科や総合内科を受診する必要がある。その際、「いつ、どこで草むらに入ったか」「マダニの刺し口があるか」を医師に明瞭に申告することが診断のスピードを分ける。
医療現場では、SFTSに対する抗ウイルス薬の早期投与研究や、国立感染症研究所と連携した迅速な遺伝子検査(PCR法)体制が進化している。テトラサイクリン系抗菌薬の早期投与が奏功する日本紅斑熱やライム病も含め、いずれの感染症も「発症初期の数日」にいかに適切な治療を開始できるかが生死の分かれ目となる。