グローバル資本と日本発の独自オペレーションが交錯する現代のホテル界において、二つの巨大な潮流が存在する。世界最大の規模を誇るマリオット・インターナショナルは、リッツ・カールトンやエディション、ラグジュアリーコレクションといった多彩なブランドポートフォリオを武器に、日本各地へ精力的な展開を続ける。会員プログラムと連動したダイナミックなサービス網は、世界基準の利便性と圧倒的な安心感をもたらしている。
対抗軸として際立つのが、星野佳路代表が率いる星野リゾートだ。「星のや」をはじめとする同社の施設は、徹底した地域資源の再発見と文化の編集力で独自のポジションを築き上げた。温泉文化の深耕や郷土料理の再構築、スタッフ自らが地域を案内するアクティビティの数々は、海外ブランドには決して真似のできない情緒を醸し出す。画一的なサービスを脱し、その土地にしかない文脈を体験価値へと昇華させる試みこそ、日本のホスピタリティ産業が世界に誇るべき強みと言えるだろう。