日本初の超高層ビルとして知られる霞が関ビルディング。その34階に、一般人が足を踏み入れることのできない排他的な空間が存在する。それが「一般社団法人 霞会館」だ。旧華族の当主およびその直系男子を中心とした会員組織であり、その前身は戦前の「華族会館」に他ならない。
入会資格は極めて厳格で、家柄の継承者でなければ原則として門戸は開かれない。ここでは現在も定期的な会合が開かれ、冠婚葬祭の連絡から名家同士の縁組み、さらには歴史的資料の保全に至るまで、濃密な情報交換が行われている。宮内庁とのパイプも極めて太く、皇室の伝統儀礼や宮中晩餐会などの現場において、霞会館のネットワークは今なお見えないインフラとして機能している。
教育の場における結束も顕著だ。かつての華族学校をルーツに持つ学習院では、初等科から大学に至るまで、名家の末裔たちが世代を超えて机を並べる。形式的な身分制度が消滅した現代においても、幼少期からの強固なコミュニティが自然発生的に形成され、政官財のトップ層へと接続されていく構造は変わっていない。