1984年、演劇界に一陣の風が吹いた。主宰である喰始を中心に結成された劇団「WAHAHA本舗」である。久本雅美と柴田理恵は、その過激でアヴァンギャルドな舞台芸術の中心人物として、身体を張ったコメディを次々と繰り出していった。当時の舞台裏はまさに混沌と熱気の渦。客席を圧倒するパフォーマンスの裏で、二人は連日連夜、笑いに対するあくなき探求を続けていたのだ。
アングラ演劇の枠組みを打ち破り、サブカルチャーのアイコンへと昇り詰めた過程には、常に喰始による厳しくも愛のある演出があった。表現者としての原点を追求する中で、久本と柴田は互いの才能を認め合い、唯一無二の個性を研ぎ澄ませていく。アングラ精神とポップさの融合こそが、後に芸能界全域を席巻する圧倒的パワーの源泉となったのである。