成田きんさん(姉)と蟹江ぎんさん(妹)が全国的な脚光を浴びたのは、1892年(明治25年)8月1日生まれの2人が満100歳を迎えた1991年から1992年にかけてのことでした。当時の名古屋市長による百歳長寿祝いの訪問がニュースで報じられたことをきっかけに、大手清掃サービス会社・ダスキンのテレビCMに起用されます。
「きんは100歳100歳、ぎんも100歳100歳、ダスキン呼ぶなら100番100番」という軽快なフレーズとともに、手押し車を押しながら笑顔で語りかける姿は日本中に衝撃を与えました。バブル崩壊による閉塞感が漂い始めていた世相において、2人の底抜けに明るい笑顔と飾らない名古屋弁は、国民的な癒やしとなったのです。
当時の記者会見で「CM出演料(ギャラ)は何に使いますか?」と問われた際、2人が即座に返した「老後の蓄えにします」という言葉は、100歳にしてなお前を向く強烈なユーモアとして流行語大賞の語録賞を受賞しました。過酷な農作業や貧困、幾度もの戦争を生き抜いてきた2人だからこそ醸し出せる達観した人生観が、老若男女の心を掴んだ瞬間でした。
その後もCDデビュー、NHK紅白歌合戦への特別出演、さらには100歳を過ぎてからの初海外旅行(台湾やオーストリア・ウィーン訪問)など、シニアの固定観念を根底から覆す活躍を続けました。