強い揺れを観測した地域では、即座に都市機能の麻痺が始まります。外出先や移動中に速報を受け取った場合、交通機関とライフラインの復旧プロセスを冷静に想定しておく必要があります。
鉄道各社(JR・大手私鉄・地下鉄)は、沿線に設置された地震計が一定基準(通常はガル値40〜80以上、または震度4〜5弱程度)を検知すると、自動的に列車へ緊急停止信号を送る保安システムを稼働させています。新幹線の場合、早期地震検知システム(UrEDAS等)により送電が緊急停止され、非常ブレーキがかかります。このため、震源から離れていても「設備点検」「線路巡回」のため、最低でも1時間から数時間の運転見合わせが発生します。安全確認が完了しない限り運転再開はなされないため、駅構内での滞留や将棋倒し事故に巻き込まれないよう、周囲の安全なスペースを確保することが重要です。
電力インフラにおいては、火力発電所の自動停止や送電網の緊急遮断により、広域停電が発生する恐れがあります。停電情報各社(東京電力、関西電力等の各送配電事業者)のWebサイトはアクセス集中で繋がりにくくなるため、公式SNSアカウントや各自治体の防災危機管理課の発信をサブの情報源として活用してください。自宅にいる場合は、通電再開時のショートによる火災(通電火災)を防ぐため、避難前に必ずブレーカーを落とすことを鉄則としてください。
さらに警戒を怠ってはならないのが、余震の発生確率です。気象庁の統計分析によれば、大地震の発生後、同規模または本震を上回る揺れが1週間以内に発生する確率は約10〜20%前後存在し、特に発生から2〜3日以内は最大の警戒期間と位置づけられています。最初の揺れで耐え抜いた家屋であっても、余震の連続によって柱や耐震壁の強度が限界を迎え、突然の倒壊に至る事例は過去の震災でも数多く立証されています。