「謹んで新年のお慶びを申し上げます」を使いながらも、知らず知らずのうちに評価を落としてしまう最大の原因が「賀詞の重複(二重表現)」です。ネット上のマナー解説でも見落とされがちなポイントであり、良かれと思って手書きの添え書きを加えた結果、恥ずかしい文章になってしまう事例が後を絶ちません。
1. 「謹賀新年」+「謹んで新年のお慶びを申し上げます」のバッティング
年賀ハガキの表面やデザイン面に金文字などで大きく「謹賀新年」と印刷されているにもかかわらず、添え書きの冒頭に「謹んで新年のお慶びを申し上げます」と書いてしまうパターンです。「謹賀新年」はそれ自体が「謹んで新年をお祝い申し上げます」という意味を持っています。同一紙面内で同じ意味の賀詞を2回重ねることは、「頭痛が痛い」と言うのと同じ言語的重複であり、教養を疑われる要因になります。表面に4文字賀詞がある場合は、添え書きを「旧年中は格別のご高配を賜り〜」から書き始めるのが正しい作法です。
2. 「新年あけましておめでとうございます」の誤用
日常会話で多用される「新年あけましておめでとうございます」ですが、厳密には重複表現とされています。「あける(明ける)」には「ある期間が終わって新しい時期になる」という意味があり、「年が明ける」で一つの事象を表します。したがって「新年があける」と書くと意味が重なってしまいます。正しくは「あけましておめでとうございます」、もしくは「新年おめでとうございます」です。フォーマルなビジネス文書では、この曖昧さを避ける意味でも「謹んで新年のお慶びを申し上げます」を用いるのが確実です。
3. 「一月一日 元旦」という日付の重複
「元旦」の「旦」という文字は、地平線から太陽が昇る様子を象ったものであり、「1月1日の朝(夜明け)」を意味します。そのため、「2026年1月1日 元旦」と並べて書くのは明らかな意味の重複です。「2026年 元旦」とするか、「2026年1月1日」とするかのいずれかに統一しなければなりません。