ネット上のQ&Aサイトや演芸ファンの間で、時に「今いくよ・くるよはなぜ『島田』姓を名乗らなかったのか」「島田一門から破門されたのではないか」といった誤った憶測が散見されることがあります。しかし、これは明確な誤解です。
前述の通り、島田洋之介・今喜多代の夫婦漫才コンビは、男性の弟子を洋之介が取り「島田」を名乗らせ、女性の弟子を喜多代が取り「今」を名乗らせるという完全な分業制をとっていました。したがって、女性コンビであるいくよ・くるよが「今」の亭号を名乗ったのは、一門の正当なルールに基づいた誇り高き命名であり、師弟関係に何らの軋轢も存在しません。
もう一つの誤解として、「体型をいじるスタイルは師匠の教えに反していたのではないか」という議論があります。しかし実態は正反対でした。喜多代師匠は「自分の持っている特徴はすべて武器にしなさい。ただし、自虐で卑屈になってはいけない。堂々と胸を張って笑わせなさい」と教えていました。くるよさんが「どやさ!」と腹を叩き、いくよさんが「うらやましいわ〜」と軽快に返すスタイルは、卑屈さを微塵も感じさせないポジティブなエネルギーに満ちており、まさに師匠の教えの真髄を具現化したものでした。