日本の夏は変わった。もはや「7月と8月だけが暑い」という常識は通用しない。2026年の気象データが示す通り、5月から10月にかけての広範囲な高温化により、蚊の活動サイクルは劇的に長期化している。皮肉なことに、真夏の気温が35度を超える猛暑日には蚊も活動を休止するが、その前後の「過ごしやすい気温」の期間が延びたことで、結果的に蚊に刺されるリスクは春から秋まで続くことになった。
この気候シフトは、防虫対策の常識を根底から覆している。かつては蚊取り線香を押し入れから取り出すのは梅雨明けと決まっていたが、今や春先の段階で防虫スプレーや空間除菌デバイスが店頭の主役に躍り出る。生活者は、一時的な「虫よけ」ではなく、年間を通じた「環境管理」としての防虫を求め始めている。