彼女の足跡を語る上で、『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の天王寺璃奈という存在を外すことはできない。感情を顔に出すことが苦手な少女。その心情を伝えるために「オートエモーションコンバート璃奈ちゃんボード」というガジェットを使う特異なキャラクターだ。
表情を物理的に覆い隠された少女の言葉に、どうやって生きた体温を宿らせるのか。この難題に対し、彼女は呼吸の乱れや声の微小な震えといった「音の粒子」をコントロールすることで答えを出した。無機質さの底に潜む、張り裂けそうな愛おしさ。ファンはその繊細な芝居に涙した。だが彼女は、その成功体験の檻に安住することを選ばなかった。あの繊細なコントロール技術を土台にしながら、いまや全く正反対の激情を宿す役柄へと領域を押し広げている。