静寂の光を抱くガラス。作家・藤本咲が描くキルンワークの美学と器のゆくえ

静寂の光を抱くガラス。作家・藤本咲が描くキルンワークの美学と器のゆくえ

静寂の光を抱くガラス。作家・藤本咲が描くキルンワークの美学と器のゆくえに関する最新の話題を詳しく解説いたします。

ガラス工芸と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、竿の先に溶解したガラスを巻きつけ、息を吹き込んで膨らませる「吹きガラス(ブローイング)」だろう。しかし、藤本咲がメインの技法として採用しているのは「キルンワーク(Kilnwork)」と呼ばれる手法だ。

藤本咲が手掛けるキルンワークの柔らかい光を浴びたガラス皿

吹きガラスとは一線を画す電気炉での精密な成形

キルonワークとは、冷えた状態のガラスをカット・配置し、電気炉(キルン)に入れて熱を加え、板状に融合(フュージング)させたり、型に沿わせて落ち込ませたり(スランプ)する技法を指す。熱い状態のガラスを素早く形作る吹きガラスと比べ、キルンワークは冷却と加熱の工程に数日間を要する非常に静的で計画的なアプローチである。

光を透かすマットな肌ざわりと「パッチワーク」の技法

藤本咲の代表作である「パッチワークシリーズ」は、色や厚みの異なるガラス片を一つひとつ正確に組み合わせて電気炉で溶着させる。融解したガラスが融合する一瞬の揺らぎが、柔らかな幾何学模様となって表面に現れる。焼成後、表面に丹念な研磨加工を施すことで、ツヤを抑えた粉雪のような手触り(サテン仕上げ)が生み出される。光を通したとき、影までが優しく淡いグラデーションを描くのは、この丁寧な手磨き工程があるからこそだ。

阿部 裕樹
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阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。