市民の間に閉店説が根強く定着してしまった背景には、単なる誤認にとどまらない、静岡市中心市街地が抱えるリアルな事情が存在します。主な要因として次の3点が挙げられます。
第1の要因は、主要ファッションブランドの相次ぐ撤退です。かつて静岡パルコを支えていた20代〜30代向けヤングカジュアル・レディスアパレルの旗艦店が近年次々と契約を満了し、一時的に空き区画(仮囲い)が目立つフロアが生じました。シャッターやパーテーションで覆われた区画が増えたことで、館内の活気が失われたように映り、不安を加速させました。
第2の要因は、2026年3月に起きた「静岡マルイ」の完全閉店による心理的影響です。静岡駅前・呉服町エリアを長年牽引してきたマルイの撤退は、地元経済界や買い物客に大きな衝撃を与えました。「次はパルコも危ないのではないか」という連想が働き、商業施設の撤退動向に対して市民の警戒感が極めて高まっていた土壌があります。
第3の要因は、競合商業施設との顧客獲得争いです。新静岡駅直結の「新静岡セノバ」やJR静岡駅ビルの「パルシェ」「アスティ静岡」が日常使いの需要をがっちり掴む一方、郊外型大型ショッピングモールへのマイカー客流出も続いています。この包囲網の中で、静岡パルコの客足の波が目立つ時期があったことも噂を後押ししました。