静岡県の行政中枢である静岡県庁は、静岡市葵区追手町9番6号に鎮座しています。JR静岡駅北口から目抜き通りである呉服町通りや御幸通りを抜けて徒歩約10分から15分、静岡鉄道の新静岡駅からは徒歩5分ほどの距離に位置し、旧駿府城の内堀と緑豊かな駿府城公園に隣接する格式高いエリアです。
現場を訪れると、近代的な高層ビルが立ち並ぶ官庁街の中でひときわ異彩を放つ建造物が目に飛び込んできます。1937年(昭和12年)に竣工した静岡県庁本館は登録有形文化財に指定されており、鉄骨鉄筋コンクリート造近世城郭風の瓦屋根を冠した「帝冠様式」の代表的建築物として知られています。重厚なスクラッチタイルに覆われた外観は、昭和初期のモダニズムと伝統様式が融合した威厳を今に伝えています。
一方で、本館に隣接する地上21階建ての静岡県庁別館には、最上階(21階)に一般開放された富士山展望ロビーが設置されています。天候に恵まれれば富士山の秀麗な姿や南アルプス、駿河湾までを一望でき、県民や観光客にとっても親しまれる開かれた行政拠点としての役割を果たしています。2026年現在もデジタル県庁への転換が進む一方で、歴史的遺構と最新インフラが美しく調和した景観が維持されています。