インターネット上の掲示板やSNSでは、行方不明事案が発生するたびに「事件に巻き込まれたのではないか」「誘拐や拉致の可能性は」といった過激な憶測が飛び交いがちです。しかし、現場の客観的事実と照らし合わせると、こうしたネットの噂の多くは実態を見誤っています。
最も誤解されやすいのが「なぜ市街地の防犯カメラですぐに足取りが追えないのか」という点です。園部町や八木町の中心部にはカメラが設置されているものの、主要道路から一本外れた旧街道や農道、川沿いのあぜ道には監視の目が届きません。認知症の高齢者は、車の往来が激しい幹線道路を避け、静かで薄暗い脇道や過去に歩き慣れた旧道へと無意識に入り込んでしまう心理的傾向があります。
また、南丹市高齢者保護情報の運用において、発見された事案の多くはプライバシー保護の観点から「無事保護されました」という簡潔な報告のみで終了します。詳細な経緯が公表されないことが、ネット上で「未解決の怪奇事件」として独り歩きしてしまう温床となっていますが、実際には無事に家族のもとへ帰還しているケースが全体の大部分を占めています。