多くのチャレンジャーを当惑させるのが、日中の活動を麻痺させるほどの激しい疲労感です。禁煙3日目の眠気の理由として最も有力なのは、長年ニコチン刺激によって人工的に引き上げられていた交感神経の活動レベルが急落し、副交感神経が優位になりすぎることによる血圧・覚醒レベルの低下です。覚醒ホルモンを強制分泌させていたブースターが突然消えたことで、身体が強制的な休息モードへ叩き込まれます。
さらに見逃せないのが、禁煙3日目の頭痛とだるさを引き起こす血管系の劇的な変化です。喫煙中はニコチンの血管収縮作用によって細く締め付けられていた脳の毛細血管が、一酸化炭素(CO)の排出とともに急速に本来の太さへと拡張します。この血流の急激な回復が周囲の三叉神経を刺激し、片頭痛に酷似した拍動性の痛みを引き起こすのです。
「頭がぼーっとして仕事にならない」「身体に鉛を埋め込まれたようだ」という感覚は、脳が数年ぶり、あるいは数十年ぶりに高濃度の酸素供給を受け、自己修復を急いでいるサインです。無理に気合で覚醒させようとせず、脳と内臓が正常運転へ切り替わるための調整期間として捉える視点が欠かせません。