近年の最先端研究では、地殻内部で生じる断層運動やプレートテクトニクスに伴う歪みが、上空数十キロメートル以上の高層大気に何らかの影響を与える可能性自体は完全には否定されていない。例えば、巨大地震の直前に上空の電離層(電離圏)で電子密度が変化する電離圏変動という現象が、GPS電波の解析などから観測されることがある。
だが、ここから「電離圏の乱れが下層の雲を形成する」という飛躍には巨大な論理的隔たりが存在する。地殻変動から生じる僅かな電磁波やイオンの放出が、地上付近の巨量な水蒸気を凝縮させて目に見える雲の形を作り出し、さらにそれを維持させるほどのエネルギーを持ち得るかという点について、物理学的なメカニズムは立証されていない。