本作が巻き起こした地殻変動は、日本国内の枠組みを遥かに超越している。NetflixやAmazon Prime Videoといったグローバル・ストリーミング・プラットフォームの普及により、『進撃の巨人』は世界中の視聴者へリアルタイムで届けられ、ダーク・ファンタジーの概念そのものを塗り替えた。
善悪が二元論で割り切れない国際政治の縮図、歴史の加害と被害の連鎖。海外の批評家たちは、本作が投げかける重層的なモラル・ジレンマを『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ブレイキング・バッド』に匹敵する傑作群と同列に位置づけた。配信プラットフォームのアルゴリズムを席巻し、国境や人種を超えて「もし自分がパラディ島の住民なら、あるいはマーレの戦士ならどうするか」という倫理的問いを突きつけ続けたのだ。
エレンの放った言葉は、単なるアニメの決め台詞を超え、抑圧された弱者が生存のために選択する過激な自己主張のメタファーとして、欧米やアジア圏のポップカルチャー論壇でも引用される現象を引き起こした。