物語の起点は、1990年代初頭の音楽制作現場にまで遡る。当時、山下久美子の事務所の後輩であり、プライベートでも親交が深かった今井美樹。彼女が自身の楽曲プロデュースを布袋寅泰に依頼したことから、運命の歯車は音を立てて狂い始めた。楽曲制作を通じて重なり合う音楽的感性と時間。スタジオでの濃密なやり取りは、いつしか仕事の域を超え、危険な感情へと変化していく。
当時、布袋と山下は誰もが認める音楽界の理想のカップルだった。互いの才能を称え合い、スタイリッシュな生き方で若者の憧れの標的となっていた二人。しかし、今井という新たなミューズの出現によって、その完璧に見えた関係に静かな、しかし修復不可能な亀裂が刻まれることとなった。