今回、市内で目撃されている個体の多くは本州に広く生息するツキノワグマとみられる。本来、極めて警戒心が強いこの動物が、なぜ人間活動の活発な都市近郊にまで足を踏み入れるようになったのか。専門家は、山林における堅果類(ドングリなど)の実りの悪化と、個体数の増加によるテリトリー争いの激化を指摘する。
多摩川の河川敷は茂みが深く、天敵や人の目を遮りながら移動するのに適した「緑の回廊」として機能してしまっている。一度人間の出す生活臭や生ゴミの匂いに惹きつけられたクマは、都市部への警戒心を薄め、容易に市街地へ侵入する。この行動パターンの変化こそが、今回の急増劇の真相にある。