「うちの地域では大判焼きって呼ぶよ」「関西なら回転焼き一択でしょう」——そんな議論がネット上や旅先で絶えない。2026年現在に行われた最新の全国意識調査によると、東日本を中心に圧倒的なシェアを誇るのが「今川焼き」と「大判焼き」だ。首都圏や東北では「今川焼き」が根強い人気を保つ一方で、北陸や中四国、さらには東海地方の広域にかけては「大判焼き」という呼称が優勢を占めている。
一方で、近畿圏から九州にかけて西日本を大きくカバーしているのが「回転焼き」である。さらに兵庫県姫路市を発祥とする特定のブランド名がそのまま地域名詞として定着した「御座候」の存在感も無視できない。なぜ全国でここまでバラバラの呼び名が定着したのか。その理由は、それぞれの名称が誕生した時代、そして全国へと広まった流通経路の差にある。一つの小さなおやつが辿った旅路こそが、日本各地の言葉と食の地図を塗り替えてきたのだ。